理科力アップ講座

4 地学

1、大地の構造

地震波の研究等から地球の内部構造が相当解明されています。一番外側の固い岩石部分を地殻と言います。大陸地殻は厚さ30~50kmで、花こう岩質岩石の上部地殻と玄武岩質岩石の下部地殻に分けられます。海洋地殻はほとんど玄武岩質岩石で、厚さ5~10kmです。この下にさらに高密度なマントルがありますが、地殻とマントルの境界面をモホロビチッチ不連続面(モホ不連続面)と言います。上部マントルはかんらん岩が主要成分で、下部マントルではこれらの鉱物は高圧で安定な結晶構造を持つ鉱物に変わっています。
ちなみに、密度の大きいマントルの上に密度の小さい地殻が乗っている形は、海水中に浮かぶ氷山の姿に似ていて、全体として均衡が取れていると考えられるので、この考えをアイソスタシー(地殻の均衡)と言います。スカンジナビア半島が過去1万年間に300mも隆起している現象も、氷河が融けて地殻が軽くなり、アイソスタシーが成り立つように地殻が隆起したと説明されています。また、高温でマントル物質が軟らかく流れやすい部分をアセノスフェアと言い、その上にある、温度が低くて硬い性質を持つ部分をリソスフェアと言いますが、これが地球の表面を覆う、いくつかの硬い岩盤の板であるプレートの実体であり、地学現象をプレートの運動によって説明しようとする考え方をプレートテクトニクスと言います。さらに、南太平洋と南アフリカの下にあるマントル内部の大規模な上昇流をプルームと言い、アジアの下にあるマントル内部の大規模な下降流をコールドプルームと言いますが、こうした大規模なマントルの対流が地球内部の最大の動きを支配しているという考えをプルームテクトニクスと言います。
そして、マントルより深部のP波の速度が遅い部分を核と言い、鉄やニッケルが主成分で、外核(液体、S波が伝わりません)と内核(固体、密度は17g/cm3)に分けられます。マントルと核の境界面はグーテンベルク不連続面と言い、外核と内核の境界面はレーマン面と言います。

地震:岩石が破壊され、断層面に沿ってずれ動くことで発生します。地震が最初に発生した場所を震源、その真上の地表面の地点を震央と言います。地震波はほぼ同心円状に広がり、最初に到着する縦波をP波(5~7m/s)、次に到着する横波をS波(3~4m/s)と言います。初めの小さな揺れを初期微動と言い、それが続く時間を初期微動継続時間と言います。これはP波とS波の到着時刻の差(P-S時間)でもあります。初期微動に続く大きな揺れが主要動です。 震度:地震動の強さの程度です。人には感じられない震度0から建物の倒壊が起こるような震度7まで、10段階で表されます。

震度0 人は揺れを感じない。
震度1 屋内の人の一部がわずかな揺れを感じる。
震度2 屋内の多くの人が揺れを感じ、電灯等がわずかに揺れる。
震度3 屋内のほとんどの人が揺れを感じ、棚の食器類が音を立てる。
震度4 電灯等が大きく揺れ、置物が倒れることがある。
震度5弱 山地で落石や崩壊が生じる。 棚の物が落ち、ガスの安全装置が作動する。
震度5強 自販機や墓石が倒れたりすることがある。
震度6弱 地割れや山崩れが発生する。 立つことが困難で、ドアが開かなくなる。
震度6強 多くの建物でタイルや窓ガラスが破損する。
震度7 建物が傾いたり、大きく破損する。地すべり等が発生する。

マグニチュード:地震の規模を表す量です。マグニチュードが1だけ大きくなると、地震のエネルギーが約32倍になります。
余震:本震の断層運動によって生じた局所的ひずみを解消するために起きます。
直下型地震:内陸の浅い所で発生する地震のことです。マグニチュードが小さくても、震源付近では非常に激しく揺れるため、大きな被害が生じることがあります。
深発地震:深さが100kmを超えるような地震です。ちなみに、震源が700kmを越える地震は報告されておらず、この深さだと周りの温度や圧力が高くなるため、岩石は固体であるものの軟らかくなり、バリッと割れず、グニャと変形するだけだと分かります。
地震断層:地震に伴って土地の隆起や沈降等の地殻変動が生じ、地震を発生させた断層である震源断層が地表に表れたものです。
活断層:比較的最近(数十万年前以後)に活動したことのある断層で、今後も活動する可能性が高いと考えられる断層のことです。
プレート境界:離れていく境界(拡大境界)、近づいていく境界(収束境界)、すれ違う境界(トランスフォーム断層)の3つがあります。プレート境界で地震が集中的に発生しており、深発地震は収束境界で発生しています。
海嶺:海底の大山脈で、拡大境界に対応しています。ここで海のプレートが生産され、両側に拡大しています。
海溝:収束境界のうち、陸のプレートの下に海のプレートが斜めに沈み込む沈み込み境界に対応しています。
深発地震面:太平洋プレートの沈み込むプレートの上面で、地震の多発地帯であり、―ベニオフ面とも呼ばれます。
トラフ:海溝ほど急ではない細長い盆状の地形を言います。日本海溝から西へ相模トラフ、駿河トラフ、南海トラフと続きます。
衝突境界:収束境界のうち、陸のプレートと陸のプレートが近づく場合はスムーズな沈み込みが起きないため、ヒマラヤ山脈のような大山脈が形成されます。
ホットスポット:海嶺からも海溝からも離れたハワイのキラウエア火山のように、プレート境界と関係ない所で火山活動が起こっている所です。
火山前線(火山フロント):最も海溝に近い火山を結んだ線のことです。
溶岩:溶けた岩石であるマグマが地表に噴出したものです。
火砕流:高温の火山ガスと火山物が一緒になって高速で流れる現象です。温度は700℃を超え、時速100kmを超えるものもあります。
水蒸気爆発:高温のマグマなどが地下水に触れると、大量の水蒸気が発生し、この蒸気圧で爆発を起こすことがあります。
盾状火山:ハワイのマウナロア火山、キラウエア火山等のように、二酸化ケイ素SiO2が少なく、粘り気の小さい玄武岩質マグマの活動でできます。
成層火山:富士山、浅間山、岩木山等のように、SiO2含量は中位で、粘り気も中位の安山岩質マグマの活動でできます。
溶岩ドーム:箱根の二子山、昭和新山、雲仙普賢岳等のように、SiO2が多く、粘り気が強い流紋岩質マグマの活動でできます。
カルデラ:阿蘇山、箱根山等のように、溶岩や火山砕屑物等の噴出で火山の山頂がくぼんだ地形で、直径2km以上のものを言います。

火成岩:マグマが固まってできた岩石です。深成岩と火山岩があります。
深成岩:マグマが深い所でゆっくり固まってできた岩石です。等粒状組織で、斑れい岩、閃緑岩、花こう岩等があります。
火山岩:マグマが地下の浅い所に貫入して、結晶が十分成長しないまま急激に固結してできた岩石です。班状組織で、地下深部でゆっくりできた大きい結晶である班晶と地表付近で急激に冷えて固まった石基の部分があります。玄武岩、安山岩、流紋岩等があります。
造岩鉱物:石英、長石等の無色鉱物と、黒雲母、角閃石、輝石、かんらん石等の有色鉱物があります。
堆積岩:堆積物が続成作用により岩石になったものです。、火山砕屑岩、生物岩、化学岩等があります。
砕屑岩:風化作用により細かく砕かれた岩石の破片が集まってできた岩石で、粒の大きさによってれき岩、砂岩、泥岩に分類されます。泥岩がさらに固められるとになり、頁岩がさらに固められて板状に割れやすくなったものを(スレート)と言い、黒のやに利用されています。
火山砕屑岩:火山噴出物が集まってできた岩石で、粒の大きさによって凝灰岩、凝灰角れき岩に分類されます。 生物岩・化学岩:フズリナ等の有孔虫(原生動物)の殻やサンゴ・貝殻等の炭酸カルシウムCaCO3の殻を持つ生物の遺骸が堆積して固まった石灰岩や、放散虫(原生生物)等の二酸化ケイ素SiO2の殻を持つ生物の遺骸が堆積して固まったチャート等があります。
地層:一連の堆積物の層のことです。地層と地層の境界面を層理面と言い、岩石や地層が地表に露出している所を露頭と言います。
地層累重の法則:地層は堆積したままの状態ならば、下位のものほど古く、上位のものほど新しいと言えます。
級化層理:粒子の大きさが上に向かって小さくなることです。
斜交葉理:1枚の地層中に見られる、層理面と平行な筋模様を葉理(ラミナ)と言いますが、これが水流や風の強さによって斜交しているものを斜交葉理(クロスラミナ)と言います。上下判定に利用されます。
整合:地層が連続して重なり合っていることです。
不整合:地層と地層の境界に非常に長い不連続があることです。隆起・沈降といった地殻変動があった証拠になります。
:元々平面であった地層や平面状の岩体が、側方から圧縮力を受け、その方向に一様に縮むだけでなく、平面が曲面になったものです。
断層:地表面や表層の食い違いを言います。両側から圧縮するような力が働いて斜めの断層面の上側がのし上がるような逆断層や、両側から引き延ばす力が働いて上側がずり下がるような正断層、さらに断層面の右側が相対的に右側にずれているような右横ずれ断層や、相対的に左側にずれているような左横ずれ断層等があります。

地層の対比:離れた地域にある地層の同時代性を決めることです。火山灰などがある地層がかぎ層となりますが、無い場合は化石が用いられます。
化石:時代の限られた化石が広い範囲にわたって分布していて、地層の中から多数産出すると、地層の時代が決められます。三葉虫(古生代カンブリア紀)、アンモナイト(中生代トリアス紀)、イノセラムス(中生代白亜紀)、カヘイ石(新生代第三紀)等があります。
化石:その地層ができた環境を示す化石です。ビカリヤ(熱帯~亜熱帯地域の、河川水のために塩分が低い浅海)等があります。
地質時代:藻類や無セキツイ動物の時代である先カンブリア時代、セキツイ動物が出現し、植物・動物の上陸が始まった古生代、恐竜の時代である中生代、ホ乳類が発展した新生代に分けられます。約160万年前からは氷期も繰り返し起こっています。


【カンブリア紀の大爆発】
6億年ほど前の先カンブリア時代の終わり頃の地層から、現在のどの生物に近縁かよく分からない多数の化石が世界各地で見られ、これをエディアカラ化石群と言いますが、さらに古生代カンブリア紀の始めにもバージェス動物群と呼ばれる奇妙で多様な生物が大量に出現していて、これをカンブリア紀の大爆発と呼んでいます。進化の必然性と言うよりは、遊び心としか思えないような不思議な生き物さん達です。


3、大気と気象

地球の大気の構造は、まず地表から11km程度の高さまで対流圏があり、その上限を圏界面と言いますが、雲の発生や降雨等の気象現象はこの範囲で起こります。
次に圏界面から高さ50km付近までを成層圏と言い、その中でも高さ20~30kmの所を中心にオゾンが比較的多く含まれている層がありますが、これをオゾン層と言います。オゾン層は太陽放射に含まれている有害な紫外線をよく吸収して、地上の生物を守る役割を果たしています。
さらに高さ約50~80kmの当たりを中間圏と言います。
そして、高さ約80km以上を熱圏と言い、約500km以上の高さでは大気は大部分電離状態となっていて、重力ではなく、地磁気によって地球に捕えられています。この部分を外気圏と言います。オーロラ(極光)などは高緯度地方の高さ100~1000kmの範囲で現れる発光現象です。
気象観測衛星:地球上の雲の様子などを観測する人工衛星です。日本では「ひまわり」シリーズがあります。アメリカの「ランドサット」等は地球観測衛星に当たります。
アメダス:気象庁の地域気象観測システムで、地上の降水量・気温・風向・風速・日照時間等の気象要素を観測しています。
風向:風の吹いてくる方向を16方位で示します。吹いていく方向ではなくて、そこから風が吹いてくる方向であることに注意しましょう。
風力:0~12階級の風の強さを示します。例えば、風力5は風速8.0~10.7m/sで疾風と呼ばれ、風力7は風速13.9~17.1m/sで強風と呼ばれ、風力10は風速24.5~28.4m/sで暴風と呼ばれます。

気圧傾度力(圧力傾度力):気圧の高い所から低い所へ空気を移動させる力です。等圧線に直角な方向に働きます。 転向力:地球上を運動する物体に働く見かけの力で、コリオリの力とも言います。北半球では物体の進行方向に対して直角右向き、南半球で直角左向きに働きます。
地上風:気圧傾度力、転向力、地面との摩擦力の合力によって風の吹き方が決まります。
高気圧:周囲よりも気圧が高く、下降気流が生じ、時計回りに風が吹き出して、天気は良くなります。
低気圧:周囲よりも気圧が低いもの。上昇気流が生じ、反時計回りに風が吹き込んで、天気は悪くなります。
:陸地より海洋の方が暖まりにくく、冷めにくいので、日中は暖まった陸地に上昇気流が生じて、海から陸へ海風が吹き、夜間は冷えた陸地に下降気流が生じて、陸から海へ陸風が吹きます。
貿易風:赤道付近で暖められた空気が上昇し、転向力によって緯度30°付近より高緯度には移動できなくなって下降気流になり、赤道付近に吹き込む風です。転向力の影響で北半球では北東貿易風、南半球では南東貿易風になります。 偏西風:中緯度地方で吹いている強い西風で、南北に大きくうねりながら波状に吹くので、偏西風波動と呼ばれます。時には風速100m/sに達することもあり、この強い風を特にジェット気流と言います。
飽和水蒸気量:空気1m3中に含むことのできる最大の水蒸気量です。単位はg/m3です。空気中の水蒸気が飽和になった時の温度が露点です。
湿度: 空気1立法メートル中に含まれる水蒸気量 その気温での飽和水蒸気量 ×100〔%〕で表されます。
乾燥断熱減率:乾燥した空気の温度変化は100mの高度変化について約1℃です。
湿潤断熱減率:湿潤な空気の場合、15℃の時、100mにつき約0.5℃です。
雲:凝結核を中心に水蒸気が凝結した水滴や氷晶核を中心に凝結した氷晶からなり、暖かい雨(暖雨)や冷たい雨(氷晶雨)が生まれます。
気団:広い地域にわたって性質が一様な空気の塊です。また、性質の異なる2つの気団が接している時の境界面を前線面と言い、前線面と地表との交わりを前線と言います。
寒冷前線:寒気団が暖気団に向かって進行し、その下にもぐり込んで形成される前線です。前線付近では急激な上昇気流によって積乱雲が発達し、狭い地域に激しい雨が降ります。通過後には気温が低下します。
温暖前線:暖気団が進行して寒気団に乗り上げて形成される前線です。前線付近では穏やかな上昇気流によって乱層雲が発達し、穏やかな雨を広い地域に降らせます。通過後は気温が上昇します。
閉塞前線:動きの速い寒冷前線が温暖前線に追いつき、追いついた寒気団の方が前方の寒気団よりも温度が高い時はその上に乗り上げ、温度が低い時はその下にもぐり込む状態の前線です。
停滞前線:寒気団と暖気団の勢力がほぼ等しい時に形成される前線です。


【日本の四季を特徴づけるもの】
冬にはシベリア高気圧が発達して、西高東低の気圧配置となり、北西季節風が吹き込み、日本海側は雪、太平洋側は晴れとなります。
春には移動性高気圧と低気圧が交互に日本列島を西から東へ周期的に通過します。この低気圧が日本海上で発達すると、本州に強い南風が生じるようになり、この昇温を伴う強風で、その年最初に吹くものを春一番と言います。 梅雨の時期には北のオホーツク海気団と南の小笠原気団が均衡し、日本列島を東西に横切る停滞前線である梅雨前線ができ、しとしとと長雨をもたらします。
夏には小笠原高気圧が発達し、南高北低の気圧配置となります。南東季節風が吹き込み、蒸し暑く、太平洋側は高温多湿となります。また、夏から秋にかけて、太平洋西部の洋上で発生し、最大風速が17m/s以上になった熱帯性低気圧を台風と言います。
秋には9月になり、小笠原高気圧の勢力が弱まって南に退くと、一時的に梅雨の時に似た秋雨前線が日本を縦断する形で形成されます。


5、天体

古代ギリシア時代には惑星も太陽も地球を中心として円運動をするという天動説が唱えられましたが、16世紀に至ってコペルニクスは地球も惑星も太陽を中心に円運動をするという地動説を唱え、ここで視点が180度変わったことから、この事件をコペルニクス的転回とか、後の一連の動きと合わせて科学革命、パラダイム・シフトなどと呼んだりしています。その後、精密な天体観測を長年行ったティコ・ブラーエの助手になったケプラーが観測資料の整理を続け、惑星が軌道を運動することに気づき、惑星の動きに関するケプラーの法則がまとめられました。
(1)第一法則(楕円軌道の法則):惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を公転する。
(2)第二法則(面積速度一定の法則):惑星と太陽を結ぶ線分が一定時間に通過する面積は一定である。
(3)第三法則(調和の法則):惑星の公転周期Tの2乗は、惑星の太陽からの平均距離(楕円軌道の半長軸)aの3乗に比例する。

太陽:太陽系の中心にある恒星で、半径は地球の約109倍、質量は地球の約33万倍です。超高温・高密度の中心部は約1600万K(ケルビン、絶対温度)で、4個の水素原子が融合して1個のヘリウム原子を作る水素核融合反応によって莫大なエネルギーを生み出しています。
光球:太陽表面の輝いている大気層です。
黒点:光球の中の黒いしみです。太陽の表面温度が約5800Kであるのに対し、黒点は約4500Kと温度が低いために黒く見えます。黒点数が極大になる時期を太陽活動極大期、黒点数が極小になる時期を太陽活動極小期と言い、その周期は平均約11年です。
彩層:光球を包むガス層です。
コロナ(光冠):日食時に黒い月の外側に見える淡い光で、彩層の外側の大気層です。
紅炎(プロミネンス):光球のすぐ外側に見える赤い炎で、コロナ中に浮かぶガス雲です。
フレア:黒点領域の近くで突発的に多量のエネルギーを放出し、明るくなる現象です。
デリンジャー現象:フレアから放射された強烈なX線が地球大気の電離層に当たり、短波通信障害を起こすことです。 太陽風:コロナから吹き出すプラズマの流れで、地球の磁気圏に影響を与え、強く吹くと磁気あらしが起こります。 バンアレン帯:地磁気に捕らえられた荷電粒子が2つのドーナツ状に地球を取り巻いている部分です。
月:地球が持つ唯一の衛星で、半径は地球の約 1 4 、質量は地球の約 1 80 です。月の公転周期()は29.5日で、自転周期と同じであるため、常に同じ面を地球に向けています。
月の満ち欠け:新月(月齢0日)→上弦の月(月齢約7日)→満月(月齢約14日)→下弦の月(月齢約21日)となります。

日食:太陽-月-地球が一直線上に並び、月が太陽を隠す現象です。太陽の一部が隠れる部分日食、全体が隠れる皆既日食、リング状に隠れる金環日食があります。
月食:太陽-地球-月が一直線上に並び、地球が月を隠す現象です。月の一部が隠れる部分月食、全体が隠れる皆既月食があります。
地球型惑星:水星・金星・地球・火星で、直径が小さく、固体の表面を持ち、自転が遅い、といった特徴があります。
木星型惑星:木星・土星・天王星・海王星で、直径が地球型惑星より大きい、巨大なガス惑星。水素やメタンからなる大気を持ち、自転が速く、環や数多くの衛星を持つ、といった特徴があります。
天球:地球を取り巻く仮想の球で、全ての天体はこの球面上にあると考えます。天球の中心は観測者の位置、観測者から見た真上が天頂です。
天球座標:観測者から見た天体を地平線からの角度を表す高度と、水平方向の方位角で表した地平座標と、地球の赤道を天球に延長した天の赤道や、地球上の北極を天球に延長した天の北極等を定めた赤道座標があります。

地球の自転・公転:地球は1日1回、地軸を中心に西から東へ向かって自転しているため、太陽や星の日周運動が起こります。そして、太陽の周りを1年で1周(北極側から見て反時計回り)しているため、太陽や星の年周運動が起こります。また、地球の地軸が公転面と垂直な方向に23.4°傾いて公転していますので、季節の変化が起こります。 太陽と星の日周運動:太陽は東から出て、南の空を通り、西の空に沈み、1時間につき、約15°ずつ移動します(地球の自転の速さ)。全ての恒星も互いの位置を変えないで、1時間に約15°ずつ東から西へ動くように見えます。北半球の北の空では、星は北極星を中心に反時計回りに1日1回転します。

南中:太陽(星)が観測地で真南に来た時を言い、その時の真南にきた太陽(星)と地平面のなす角を南中高度と言います。
太陽と星の年周運動:太陽は1日に約1°ずつ西の星座から東の星座の方へ移動し、1年で天球上を1周します。また、同じ星を毎日観察すると、星は1日に約4分ずつ(1か月に約2時間ずつ)南中する時刻が早くなり、1年後に元の位置に戻ります。
黄道:太陽が年周運動によって通る天球上の経路。
太陽の南中高度:春分・秋分の日は「90°-その地点の緯度」で、夏至の日ではそれより23.4°高く、冬至の日はそれより23.4°低くなります。北極圏・南極圏では夏に太陽が沈まないがあり、冬には太陽が出ないがあります。

光年:1光年は1秒間に約30万km進む光が1年間に進む距離です。また、地球から太陽までの平均距離を1天文単位(約1億5千万km)と呼びます。
等級:恒星の明るさを示し、目に見える最も明るい星を1等級、最も暗い星を6等級に分けたのが始まりです。1等級は6等級の100倍の明るさになります。地球上から見た時の天体の明るさを見かけの等級と言い、全ての星を我々から同じ距離10パーセク(32.6光年)に置き直した時の明るさを絶対等級と言います。 ブラックホール:非常に強い重力が働き、光も抜け出せない領域です。銀河系の中心には巨大ブラックホールが存在するとされています。


【宇宙の大規模構造】
我々の銀河系(天の川銀河)は局部銀河群に属していますが、せいぜい50個程度の銀河が集まったものを銀河群、数十個から数千個の銀河が集まったものを銀河団と言い、それらもまた、超銀河団の一部となっています。超銀河団は巨大な壁のような分布(グレートウォール)を示しており、銀河がほんの少ししか存在しない丸い泡のような領域を超空洞(ボイド)と言います。こうした銀河の分布構造を泡構造と言います。