高校入試に関する有益情報

1、高校の種類

(1)国立・公立・私立高校の違い

①国立高校
国立大学の付属校であり、実験校と言われます。基本的にエリート校です。
●お茶の水女子大学附属高等学校:文京区大塚。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。中学校は男女共学ですが、高校に進学できるのは女子のみです。お茶の水女子大学の附属は幼稚園から小学校、中学校、高校まではそれぞれ内部連絡進学を持ち、いずれからも外部入学を受け入れています。なお、道路を挟んで筑波大学附属中学校・高等学校が所在しています。

●筑波大学附属高等学校:文京区大塚。通称は「筑附(つくふ)」、「附属(ふぞく)」。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。歴史ある難関進学校の1つで、男女共学です。現在は中学校、高校ともに外部からの入学を受け入れていますが、中学校から高校へは内部連絡入試(一般入試とは異なります)を経て、男女それぞれ上位80%が進学できます。なお、中学校では学年の3分の2程度、高校では3分の1程度が附属小学校からの内部進学者です。また、筑波大学の附属校ですが、同大学への特別な内部進学枠は存在しません。

●筑波大学附属駒場高等学校:世田谷区池尻。通称は「筑駒(つくこま)」。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校。東京大学教養学部から南におよそ700mの高台に位置し、すぐ傍に私立男子校の駒場東邦中学校・高等学校、東京都立駒場高等学校があります。入試難易度は首都圏の中高一貫校の中でトップとされ、東京大学への進学率が高い男子校です。「駒場の自由」「六年間の自由空間」と言われる自由な校風で知られています。高校での外部入学は約40名です。

●東京学芸大学附属高等学校:世田谷区下馬。通称「学附(がくふ)」。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト選定校。東京大学への進学者も多い、東京学芸大学の実験校です。学年の約3分の2は附属中学校の3校(世田谷、竹早、小金井)から内部生用の入試を経て入学し、内部生の入試は一般中学生が受ける入試と共通の問題ですが、合格点は異なります。また、1975年からタイ王国からの留学生受け入れを開始しています。

●東京学芸大学附属国際中等教育学校:練馬区東大泉。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト選定校。1年生4月入学試験は、帰国生徒と外部からの受験生が対象となり、新入生のうち大半は隣接する東京学芸大学附属大泉小学校からの内部進学生で構成されます。以降、1年生9月期入学から6年生4月期入学までの全ての学年において、年2回帰国生を対象とした編入試験が行われています。国立大学附属校で唯一、国際バカロレア資格(IB)MYP(Middle Years program)World Schoolとして認定された学校であり、授業を全て英語で行うイマージョン(IM)授業が、数学、理科(一部)、地歴公民(一部)の科目で3年次から開講されている。1~3年次ではその準備段階として、ネイティブスピーカーの講師が授業を行う、LE(Learning in English)が開講されています。4、5年次では、第二外国語(スペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語・朝鮮語)の授業が開講されています。

●東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校:台東区上野公園。通称は「芸高(げいこう)」もしくは「芸大附属高校」。国立高等学校で唯一の音楽専門の高校であり全国規模の学校であるため、日本全国から生徒が集まり、日本では非常にレベルの高い音楽高校の1つです。男女共学。卒業生の多くは東京藝術大学音楽学部に進学しますが、外部生と同様に入学試験が必要です。

●東京工業大学附属科学技術高等学校:港区芝浦。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。国立唯一の工業系高校。10人前後が東京工業大学に推薦で進学できる制度があります。

●東京大学教育学部附属中等教育学校:中野区南台。双子に対して実験的な教育を行っています。原則的に入学した120名がそのまま6年後に卒業していくのが中等教育学校の仕組みですが、諸事情による欠員補充を中心に後期課程第4学年への編入学試験を実施しています。例年1~3名程度の合格者があります。東京大学への優先入学制度はありません。


②公立高校
経済的負担が軽いことから人気があります。また、学力を向上させるため、中学から入る公立中高一貫校がにわかに脚光を浴びてきました。

【東京都立進学指導重点校】
難関国立大学や国公立大学医学部医学科への進学を目指す高校で、英数国では自校作成問題を課しています。
●日比谷高校:千代田区永田町。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト選定校。。東京府立第一中学校として開校した伝統校で、旧制第一高等学校、東京大学への進学ルート校として有名でした。東京都のグローバル人材養成校に指定されており、2年次には「第二外国語」(ドイツ語、フランス語など)等の自由選択科目がある。

●西高校:杉並区宮前。東京府立第十中学校を母体とする伝統校です。東京都のグローバル人材養成校に指定されています。

●国立高校:国立市東。東京府立第十九中学校として開校した伝統校です。3年間クラス替えが無いので結束が強く、行事に燃えるタイプ向きです。

●戸山高校:新宿区戸山。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校。東京府立第四中学校として開校した伝統校です。私服校の自由な校風で、理数系教育に強く、早稲田大学と提携をしています。夏休みにはハワイのキラウエア、すばる望遠鏡やアメリカ西海岸などを訪問する「海外サイエンスセミナー」が実施されています。戸山祭では2年で演劇、3年で映画を作っています。

●青山高校:渋谷区神宮前。東京府立第十五中学校として開校した伝統校です。「青高ブランド」と称される「オシャレな学校」「洗練された都会的な校風」で、特に女子からは憧れの対象となる学校です。「多摩の国高祭、区部の外苑祭」と並び称される文化祭の外苑祭はクラス演劇のレベルの高さで有名で、部活動の青山フィルハーモニーのレベルの高さも有名です。

●立川高校:立川市錦町。東京府立第二中学校として開校した伝統校です。男女共学ですが、男子校時代の質実剛健の校風が今も残る、多摩の名門校です。高大連携により東京工業大学、東京農工大学、東京学芸大学、中央大学、東京経済大学の授業を受けることができます。

●八王子東高校:八王子市高倉町。昭和51年4月開校の歴史の新しい学校です。三多摩の学校で一番面倒見が良いとされ、東京大学にも多数合格者を輩出しています。


【東京都立進学指導重点校】
国公立大学や難関私立大学等への進学を目指す高校です。
●小山台高校:品川区小山。理工系大学進学の名門で東京工業大学進学に強みがあります。野球班は2014年春、第86回選抜高等学校野球大会に21世紀枠として出場し、都立高校としては史上初のセンバツ出場校となりました。

●駒場高校:目黒区大橋。運動部が盛んな体育会系色の強い文武両道校です。サッカー、陸上競技、器械体操、バスケットボール、水泳などは全国レベルで、開閉式の温水プールや食堂などの設備が充実しています。

●新宿高校:新宿区内藤町。進学指導重視型単位制高校で、英数国では自校作成問題を課しています。「東京一面倒見が良い高校」と言われる面倒見主義の進学校です。戸山高校との運動部対抗戦「戸山戦」(戸山高校では「新宿戦」と呼ばれています)や、1年生全員参加で沖の島まで約1.5kmの遠泳をする臨海教室などが名物イベントになっています。

●町田高校:町田市中町。通称「町高(まちこう)」。町田地区の中心校。ほとんどが地元の生徒で、地域に根ざした進学校です。

●国分寺高校:国分寺市新町。進学指導重視型単位制高校で、英数国では自校作成問題を課しています。教員公募制を実施し、全都から優秀な教員を独自の選考で選抜して、合格した指導力とやる気のある教員のみが国分寺高校に配置されています。なお、校舎は2006年公開の劇場用アニメ映画「時をかける少女」でロケハンされ、階段や廊下、化学室等が登場しています。

●国際高校:目黒区駒場。英語のみ自校作成問題を課しています。日本の公立高校で初となる、国際バカロレア・ディプロマプログラム認定校で、東京都のグローバル人材養成校に指定されています。全生徒の3分の1は帰国子女もしくは在京外国人で、海外大学を目指すための「国際バカロレアコース」も設置されており、英語圏の大学に進学を目指す生徒のために、SATとTOEFLを準備するためのクラスがそれぞれ設けられています。ドイツ語・スペイン語・フランス語・朝鮮語・中国語の履修も可能であり、全ての第二外国語の授業は、ネイティブの教師による、レベル別に分けた少人数のクラスで構成されており、日本語の苦手な帰国生、在京外国人、留学生などを対象にした日本語の授業もあります。


【東京都立進学指導推進高】
進学重点校、進学指導重点校に続くグループとして育てようとしている高校です。
●三田高校:港区三田。東京府立第六高等女学校が前身の名門校。洗練された都会的な校風で知られ、英語教育に強さを発揮しています。英語の必修単位数は都内有数の多さであり、1年次には外国人講師によるドイツ語・フランス語・中国語の履修ができます。「海外帰国生徒学級」を設置され、多数の帰国生が在学しているとともに、留学生も積極的に受け入れています。

●豊多摩高校:杉並区成田西。詩人谷川俊太郎やジブリの宮崎駿などを輩出した、独創性を大切にする特異な校風で知られています。生徒は「学友」と呼ばれ、行事を運営するのは学友会と呼ばれる生徒による自主組織です。

●竹早高校:文京区小石川。校地は学芸大附属幼稚園竹早園舎・附属竹早小・附属竹早中と隣接しています。帰国子女の受け入れを行い、二年次からは自由選択科目として第二外国語(フランス語、ドイツ語)もあります。校庭がないため運動部は活発ではなく、文化部が盛んです。

●北園高校:板橋区板橋。自由でアカデミックな校風です。伝統的に第二外国語教育に力を入れており、希望者は1年次から2年間継続してドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語を学ぶことができます。特に「ドイツ語教育の名門」と名高く、希望者はドイツ語を3年間学ぶことができ、また、高校課程でロシア語を2年間履修することができる高校は全国でもほとんど存在しません。

●墨田川高校:墨田区東向島。進学指導重視型単位制高校で、英数国では自校作成問題を課しています。文人墨客に愛された向島の地に設立されたことから、優秀な国語教師が多く在籍し、校歌も近隣に居住していた幸田露伴による作詞であるなどの影響も相まって、自由で文化的な校風が育まれました。駅からの行き方がやや分かりづらく、地元の受験生が中心であるため、難易度が抑えられています。

●城東高校:江東区大島。「スポーツの城東」と言われ、体育会系のノリです。ほとんどの運動部が全国規模の実績を出していて、特に野球部は1999年、都立校では国立高校に次いで2番目に、東東京大会では初めて甲子園に出場し、2001年にも同大会に出場したことで有名です。

●小松川高校:江戸川区平井。質実剛健の校風で、ボート部などが盛んです。

●武蔵野北高校:武蔵野市八幡町。大学進学指導強化でここ数年の難関大実績向上が著しい躍進校です。制服は都内ランキングでNo.1になったこともあります。また、高校バスケットボール漫画『SLAM DUNK』で、主人公桜木花道らが通う湘北高校の校舎、体育館などの意匠や配置が連載当時の本校のそれと同じです。

●小金井北高校:小金井市緑町。通称「小北(こきた)」「北高(きたこう)」「こがきた」。武蔵野北と共に多摩地区を代表する3番手進学校です。明るい校風で知られています。

●江北高校:足立区西綾瀬。東京府立第十一中学校として開校。かつては毎年数十名を早慶・国立大学へ輩出していた進学校でしたが、その後は進学実績が低迷したため、現在教育改革中です。

●江戸川高校:江戸川区松島。東京府立第十六中学校として開校。通称「江戸高」。制服はなく標準服であるため、私服登校も可能です。

●調布北高校:調布市深大寺。高校と大学の提携が行われており、大学の授業を受講することで単位認定することが可能です。部活動では、都内に6校しかないなぎなた部がある学校の1つとして知られています。

●日野台高校:日野市大坂上。通称は「日野台(ひのだい)」、「台高(だいこう)」。野球部の都立強豪校として知られており、プロ野球選手も出しています。バスケットボール部も都内強豪校です。


【東京グローバル10】
東京都のグローバル人材養成校です。
●日比谷高校:千代田区永田町。2年次には「第二外国語」(ドイツ語、フランス語など)等の自由選択科目があります。

●西高校:杉並区宮前。2年次には英語以外の外国語の履修が可能です。

●国際高校:都立高校としては唯一の国際学科を設置している学校で、入試問題は英語のみ自校作成問題を導入しており、高度な英語力が要求されます(傾斜配点も2倍)。帰国生枠や在京外国人枠もあり、日本の公立高校で初となる、国際バカロレア・ディプロマプログラム認定校となりました。

●深川高校:江東区東陽。英語を重点的に学ぶ外国語コースが2学級設置されています。夏休みには、希望者を対象としたオーストラリア語学研修を実施しています。

●飛鳥高校:北区王子。英語教育と上位大学進学に力を入れている、都立初の全日制単位制普通科高校です。 2年で「国際教養」か「生活・芸術」の系列を選びます。都立高校では国際高校に次いで在京外国人生徒対象入試を導入しています。

●千早高校:豊島区千早。東京都立牛込商業高等学校と東京都立池袋商業高等学校を統合した新しいタイプの進学型専門高校です。都立高校ではじめて新学科「ビジネスコミュニケーション科」を設置し、英語教育とビジネス教育を重視しています。海外大学との提携による英語による様々な授業や一般企業の方によるキャリアセミナー・企業見学などを実施していて、卒業後の進路としても海外大学との連携があり、海外の大学にも指定校があります。また、英語では上智大学、ビジネス科目では中央大学、立教大学とのアドバイザーなどの提携も行なっています。

●小平高校:小平市仲町。外国語コース2クラスが普通科に設置されています。

●小石川中等教育学校:文京区本駒込。レベル別の中国語やフランス語、ドイツ語を本格的に学ぶことができます。複数のネイティブの教諭が常在しており、英文法やコミュニケーション力の一辺倒に偏らない総合的な語学力の習得を目指した教育が行われています。中等2年次に国内語学研修が行われるほか、英語暗唱コンテスト、英語でのメール交換などが実施され、中等3年次ではオーストラリア・アデレードへの海外語学研修が2週間にわたって実施されており、ホームステイをして現地校の授業を受けることができます。中等5年次にもシンガポールへの海外修学旅行が実施されています。小石川・武蔵・両国で「都立中御三家」と称されることがあります。高校での募集は行っていません。

●三鷹中等教育学校:三鷹市新川。外部から非常勤講師を月に4回ほど招いてALT(Assistant Language Teacher、外国語指導助手)による授業を行っています。高校での募集は行っていません。

●立川国際中等教育学校:立川市曙町。都立国際高等学校につづく第二国際高校(多摩地区国際高校)としての位置付けがあります。募集人員のうち、30名を海外帰国・在京外国人生徒枠募集定員(男女問わず)として割り当てています。高校での募集は行っていません。


【公立中高一貫校】
(1)併設型高校:中学が高校の付属中学のタイプ。英数国では自校作成問題を課しています。
●白鴎高等学校:台東区元浅草。東京府高等女学校として創立され、東京府立第一高等女学校(府立一女)と改称、「浅草の一女・小石川の二女(竹早)・麻布の三女(駒場)」として並び称されました。「日本文化概論」という科目が必修で、歌舞伎役者などの伝統芸能の後継者が多くいます。

●両国高等学校:墨田区江東橋。通称は「両高(りょうこう)」。東京府第一中学校(現・日比谷高)の分校である東京府第三中学校が前身。中学受験においては都立中高一貫校の中でも高い難易度を維持しており、小石川・武蔵と共に「都立中御三家」と呼ばれています。また、「勉強の両国」と呼ばれ、芥川龍之介や石田衣良らを輩出したことでも有名です。「国語教育の名門」として論文を書いたりディベートをしたりする独自の授業があります。

●富士高等学校:中野区弥生町。通称は「富士高」(ふじこう)。東京府立第五高等女学校を前身とする都立進学校。剣道部やなぎなた部の名門です。

●大泉高等学校:練馬区東大泉。東京府立第二十中学校として開校。文武両道の都立らしい校風です。最高設備の新校舎が完成し、人工芝グラウンドも整備されています。

●武蔵高等学校:武蔵野市境。適性検査は他の公立中高一貫校と比較して問題量が多く、難易度も高めに設定されており、小石川と同じく、私立中学併願者が多いことをかなり意識した問題内容となっています。小石川・武蔵・両国で「都立中御三家」と称されることがあります。


(2)中等教育校:中学・高校が一体化した6年間のカリキュラム。高校での募集は行っていません。
●小石川中等教育校:文京区本駒込。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、東京都のグローバル人材養成校に指定されており、理化学教育の振興と外国語教育に力を入れています。東京府立第五中学校以来の「小石川教養主義」を継承し、独自の理数教育が実践され、地学・物理・生物・化学の全分野が必修となっており、中等5年次まで学びます。また、中等1年次から英語や理数系を中心とした多様な講座を設置しており、「生命科学基礎実習」などの実験に特化した講座や、「アジア論概説」や「整数の性質」といった教養主義的なものまで多種多様で、放課後には教諭により自主的に課外講座が実施されることもあり、大学教養レベルの高度な講義が行われています。

●桜修館中等教育校:目黒区八雲。校風や伝統は7年制旧制府立高等学校尋常科を起源とする東京都立大学附属高等学校の流れを汲み、現在でも首都大学東京(旧東京都立大学)との交流が盛んです。「国語で論理を学ぶ」や「数学で論理を学ぶ」などの論理的思考を重視した独自科目が実施されている。後期課程以降にはスペイン語や中国語、ドイツ語、韓国語、フランス語などの第二外国語を希望することにより受講することができ、「留学特講」では海外の大学に進学を希望する生徒の語学力向上などを行っています。

●三鷹中等教育校:三鷹市新川。東京都のグローバル人材養成校に指定されており、外部から非常勤講師を月に4回ほど招いてALT(Assistant Language Teacher、外国語指導助手)による授業を行っています。

●立川国際中等教育校:立川市曙町。東京都のグローバル人材養成校に指定されており、都立国際高等学校につづく第二国際高校(多摩地区国際高校)としての位置付けがあります。募集人員のうち、30名を海外帰国・在京外国人生徒枠募集定員(男女問わず)として割り当てています。

●南多摩中等教育校:八王子市明神町。通称は「南多摩(なんたま)」。「フィールドワーク活動」を推進しており、身近な点から疑問を発見する「課題発見力」、そして話し合いや調査をして情報を得る「コミュニケーション力」を元にした「情報収集力」「分析力」の育成を目的としており、この基礎的スキルの習得を目指しています。


③私立高校
名門進学校、中高一貫校、男子校、女子高など個性が様々です。
●開成高校:荒川区西日暮里。男子御三家。質実剛健の校風を持つ中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。東京大学合格者数が日本一で知られています。

●麻生高校:港区元麻布。男子御三家。自由闊達な校風を持つ中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。中学卒業時にはグループで卒論、高校1年次には個人で修論に取り組みます。

●武蔵高校:練馬区豊玉上。男子御三家。「知と創造のプロなら、わが子の進路として選びたい武蔵高等学校」と言われる中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。中3では週2時間、第二外国語(ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語・朝鮮語より選択)を学びます。

●駒場東邦高校:世田谷区池尻。東京大学教養学部などが所在する駒場キャンパスから南におよそ700mの高台に位置し、周囲には筑波大学附属駒場中学・高校、都立駒場高校が隣接しています。武蔵に代わる新御三家として知られる中高一貫男子校です。通称は「駒東(こまとう)」。

●海城高校:新宿区大久保。男子新御三家。中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。

●巣鴨高校:豊島区上池袋。男子新御三家。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。伝統的な日本泳法(そのうちの水府流太田派)を学ぶ巣園流水泳学校が夏休みにあり、中1のみ必修となっています。合宿最後の遠泳では館山湾を横切ります。希望者にはイートン・カレッジ・サマースクールやオーストラリア体験入学などもあります。

●桜蔭高校:文京区本郷。女子御三家。中高一貫女子校で、高校での外部募集はありません。東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)の同窓会「桜蔭会」が起源で、東大合格者では女子高筆頭です。

●女子学院高校:千代田区一番町。女子御三家。中高一貫女子校で、高校での外部募集はありません。プロテスタント(長老派)系ミッションスクール。

●雙葉高校:千代田区六番町。女子御三家。中高一貫女子校で、高校での外部募集はありません。カトリック系ミッションスクール。

●豊島岡女子学園高校:豊島区東池袋。中高一貫女子校で、高校での外部募集があります。東京大学合格者を毎年10人以上出すなど、女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)と併せて語られる進学校です。

●早稲田大学高等学院:練馬区上石神井。早稲田大学付属校の中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。卒業生は原則として全員が早稲田大学の各学部へ進学できるため、首都圏でも屈指の受験難易度となっています。中学部の生徒は3年次よりドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語を3ヶ月ずつ学習し、高等学院では第二外国語が必修で、ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語のいずれかを1年次より履修します。

●早稲田実業学校高等部:国分寺市本町。通称は「早実(そうじつ)」。男女共学で小中高一貫教育を行い、高校での外部募集があり、早稲田大学への推薦入学制度があります。

●早稲田大学本庄高等学院:埼玉県本庄市栗崎。早稲田大学附属の男女共学校で、原則として全員が早稲田大学に進学できます。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。

●慶應義塾高等学校:神奈川県横浜市港北区。通称塾高(じゅくこう)」。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。ほぼ全員が大学受験をせずに慶應義塾大学に進学できるため、首都圏屈指の難関校となっています。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校。生徒数は約2200人で、各学年のクラス数が18(A組~R組)にも及ぶマンモス校で、毎年1クラス分の留年者が出ています。2年次より第二外国語を含む多様な選択科目が導入され、3年次には「卒業研究」(大半の講座は論文形式)が卒業の要件として義務付けられています。

●慶應義塾志木高等学校:埼玉県志木市本町。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。原則として全員が慶大に進学できますが、成績評価が低く、留年する者も毎年存在しています。2学年時と3学年時の語学課外講座では、23の言語と文化が学べます(アイヌ語、アラビア語、イタリア語、インドネシア語、ヴェトナム語、古典ギリシア語、古典ラテン語、スペイン語、スワヒリ語、タイ語、中国語、朝鮮語、ドイツ語、トルコ語、ビルマ語、フランス語、ヘブライ語、ペルシャ語、ポルトガル語、モンゴル語、ロシア語、インド語、琉球語)。

●慶應義塾女子高等学校:港区三田。中高一貫女子校で、高校での外部募集があります。外国語はフランス語、ドイツ語、中国語なども選択可能であり、教員は原則として大学院修了以上しか採用していません。卒業すればほぼ全員が慶應義塾大学に進学できますが、医学部・法学部・経済学部には定員が設けられており、特に医学部志望者は男子と比べ、定員枠が5人と少ないため、他大学に進学する人が多くいます。

●渋谷教育学園幕張高等学校:千葉県千葉市美浜区。通称は「渋幕(しぶまく)」。学校周辺には、千葉県立保健医療大学、県立幕張総合高等学校、昭和学院秀英中学校・高等学校、放送大学、県総合教育センター、神田外語大学、幕張インターナショナルスクール等の文教施設が集まり、「学園のまち」と呼ばれています。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。中高一貫共学校で、高校での外部募集があります。英語の試験だけの帰国枠入試が設けられており、帰国子女枠で入学した生徒は、卒業するまで英語の授業はネイティブの教師によって一般の生徒とは別の教室で行われます。また、アメリカ、イギリス、シンガポール、ヴェトナム、北京などへのホームステイを、姉妹校である渋谷教育学園渋谷高等学校と合同で実施しています。

●渋谷教育学園渋谷高等学校:渋谷区渋谷。通称は「渋渋(しぶしぶ)」。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。中高一貫共学校で、高校での外部募集はありません。1学年中に約4割程度、帰国子女が在籍しており、海外大学への進学者が、帰国生を中心に一定数います。

●桐朋高等学校:国立市中。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。桐朋学園男子部門の1つであり、桐朋学園音楽部門である女子校の桐朋女子高等学校とは併設校に当たります。

●青山学院高等部:渋谷区渋谷。中高一貫共学校で、高校での外部募集があります。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。メソジスト派ミッションスクールで、国際交流の取り組みとして英国パブリックスクールのリース・スクールやイートンカレッジ、イタリアのパスカル校と交流を深めています。

●国際基督教大学高等学校:小金井市東町。スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校。特定の教派によらない、エキュメニカル(超教派)なミッションスクール。三鷹市最西端にある国際基督教大学とは隣接しており、1学年の生徒数は約240名で、帰国生が全校の3分の2を占めています。英語の授業は文法の授業と文学の授業があり、文学の授業はすべて英語で行われます。フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語は第二外国語として選択可能なほか、場合によっては第一外国語として学習することも可能です。国際基督教大学の附属校ではなく、同大学へは推薦で進学する道も80名限定で、一定の成績を修めた者またはSATで指定された科目の平均点数が基準点以上でないと内部推薦で受験することはできません。その他の生徒は一般入試で国際基督教大学に進む者もいますが、多くは他大学に進学します。

●巧玉社高校:品川区西五反田。通称は「玉社(ぎょくしゃ)」。中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。中3、高1の希望者を対象に8月の夏休みに2週間、オーストラリアの現地校で語学研修をしています。

●暁星高等学校:千代田区富士見。フランス系カトリックの名門校である中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。フランス語教育を行っており、中学進学時に第1外国語を英語とフランス語から選択し、他方を第2外国語として中学3年時まで学習します。高校3年までフランス語を第1外国語として履修した者のうち優秀者はバカロレアと同等の資格を得ることができます。

●城北高等学校:板橋区東新町。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。

●芝高校:港区芝公園。東京タワーのほぼ真下にあります。中高一貫男子校で、高校での外部募集はありません。浄土宗系仏教学校。

●本郷高校:豊島区駒込。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。

●佼成学園高等学校:杉並区和田。中高一貫男子校で、高校での外部募集があります。立正佼成会による仏教系学校。

●鴎友学園女子高等学校:世田谷区宮坂。東京府立第一高等女学校同窓会(鴎友会)を起源とする中高一貫女子校で、高校での外部募集はありません。
*スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校、スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト選定校については、現・元を含みます。


(2)全日制・定時制・通信制高校の違い

①全日制高校
朝から午後までの日中に授業があります。ほとんどの高校はこのタイプです。

②定時制高校
夜間、その他定められた時間帯に授業があります。勤労学生も多くいます。

③通信制高校
レポート、スクーリング(面接授業)、単位認定テストの3つからなります。


(3)学年制と単位制の違い

①学年制
学習する教科・科目が学年ごとに単位が定められており、その学習成果が認められると単位が与えられ、次の学年に進級する制度です。全日制は3年、定時制は4年(一部は3年)を修了すると卒業が認められます。

②単位制
学年の区別がなく、3年間(または4年間)の中で必修科目の他に選択科目を履修し、その学習成果が認められ、卒業単位数を習得すれば卒業できる制度です。例えば、都立高校であれば、次のように分類されます。

【多様な学習型(全日制普通科)】
●飛鳥高校 ●芦花高校 ●上水高校 ●美原高校 ●大泉桜高校 ●翔陽高校 ●忍岡高校(普通科) ●板橋有徳高校

【進学重視型(全日制普通科)】
●墨田川高校 ●国分寺高校 ●新宿高校

【専門型(全日制専門学科、全日制デュアルシステム科、定時制専門学科)】
●六郷工科高校(工業科、デュアルシステム科) ●忍岡高校(生活科学科) ●総合芸術高校(音楽科、美術科、舞台表現科)

【定時制型】
●新宿山吹型 ●飛鳥高校 ●砂川高校 ●六郷工科高校 ●一橋高校 ●浅草高校 ●板橋有徳高校 ●荻窪高校 ●八王子拓真高校

【通信制型】
●新宿山吹高校 ●砂川高校 ●一橋高校


(4)高等専門学校(高専)について

修業年限5年(商船学科のみ5年6か月)間の課程のもと、主に工学・技術系の専門教育を施すことによって、実践的技術者を養成することを目的にした教育機関です。就職率はほぼ100%ですが、2年制の専攻科が各校に設置されており、本科卒業後は大学編入学、専攻科修了後は大学院進学の道もあります。

●東京工業高等専門学校(国立):八王子市椚田町。通称、「東京高専」。

●東京都立産業技術高等専門学校(都立):品川キャンパス(旧・東京都立工業高等専門学校)・荒川キャンパス(旧・東京都立航空工業高等専門学校)。品川キャンパス所在地に開学した公立大学法人首都大学東京が設置する産業技術大学院大学(専門職大学院)と連携し、高専から大学院に至る、全国初の9年間一貫のものづくり教育を目指しています。

●サレジオ工業高等専門学校(私立):町田市小山ヶ丘。全国唯一の技術系ミッションスクールで、国内外のソーラーカーレース、鳥人間コンテスト、ロボットコンテスト等の出場校としても有名です。


(5)高卒認定について

高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験で、中卒者でも高校中退者でも高校在籍者でも受験することができます。合格者は大学・短大・専門学校の受験資格が与えられ、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定されるため、就職、資格試験等に活用することができます。


2、高校入試の仕組み

(1)入試がある場合

①推薦入試(推薦に基づく入試)
一般推薦、文化・スポーツ等特別推薦などがあります。
検査は集団討論、個人面接、小論文・作文などによって行われ、実技検査などが加わる場合もあります。

②一般入試(学力検査に基づく入試)
第一次募集、第二次募集、分割募集などがあります。
検査は国、数、英、社、理の5科目の学力検査や国、数、英の3教科の学力検査に加えて、面接、小論文・作文、実技などが加わる場合もあります。
調査書点と学力検査の得点が7:3、6:4、5:5といった比重で総合され、総合得点で評価されます。 調査書点は、例えば都立高校の場合、国、数、英、社、理の5科目の評価(5段階)に音楽、美術、保健体育、技術・家庭の実技4教科の評価(5段階)を2倍にしたものを足して、点数化します。


(2)入試がない場合

①チャレンジスクール
不登校や中退経験などのある生徒に対してチャレンジを可能にするため、各時間帯(午前・午後・夜間の三部)を選んで入学する、中夜間の定時制・総合学科・単位制の高校です。例えば、都内には次のようなものがあります。
●桐ケ丘高校 ●世田谷泉高校 ●大江戸高校 ●六本木高校 ●稔ヶ丘高校

②エンカレッジスクール
1年次には集中できる30分授業により基礎・基本を徹底し、少人数制授業、体験授業、選択授業によって、やる気を育てていくための全日制高校です。例えば、都内には次のようなものがあります。
●足立東高校 ●秋留台高校 ●練馬工業高校 ●蒲田高校 ●東村山高校


(3)転学・編入学について

①転学
転学とは、高校に在学している生徒が引き続き他の高校の相当学年に入学することを言います。都立高校の場合、転学は同一課程・同一学科間が原則ですが、第1学年の第2学期の補欠募集においては、定時制や通信制から全日制へ、または在籍している学科とは異なる学科へ出願することができます。

②編入学
編入学とは、種類の異なる学校への入学や、海外帰国生などが第1学年当初の入学時以外の時期に高校に入学することを言います。都立高校では編入学での補欠募集は第1学期のみですが、海外帰国生においては、第2・3学期の補欠募集においても転学に準じて出願することができます。

③補欠募集について
例えば、都立高校では年に3回補欠募集を行っています。
【第1学期補欠募集(転学・編入学)】
募集状況の発表:3月上旬 
入学願書の受付:3月中旬 
検査日:3月中旬 
入学時期:学年の初め

【第2学期補欠募集(転学のみ)】
募集状況の発表:7月上旬 
入学願書の受付:8月上旬 
検査日:8月中旬 
入学時期:第2学期の初め

【第3学期補欠募集(転学のみ)】
募集状況の発表:11月下旬 
入学願書の受付:12月上旬 
検査日:12月上旬 
入学時期:第3学期の初め