英語力アップ講座

17、強調・倒置表現

強調は文のある部分を強調する表現の仕方です。very(まさにその。形容詞で「the(this, that,所有格)+very+名詞」の形で名詞を強調したり、動詞の前に助動詞do(does, did)を置いて動詞を強調したり、疑問詞の後にon earth, in the world(一体、全体)を加えて疑問詞を強調したりします。倒置は普通の語順とは違い、(助)動詞や目的語・補語・副詞が主語の前に来ることです。一種の強調とも考えられます。
This is the very book I was looking for.(これこそまさに私が捜し求めていた本だ。)
American do like jazz.(アメリカ人は実にジャズが好きだ。)
Why on earth are you sitting there?(一体なぜあなたはそこに座っているのですか。)
Happy is the man who is in good health.←A man who is in good health(=very healthy) is happy.(健康な人は幸せである。)
Not a word did she say.(一言も彼女は言わなかった。)


(1)強調構文

It is~that(who, which)…の形で強調したいものが~に来ます。形式主語を用いたIt is~that構文との違いは、It isとthatを取り除くと元の文章が現れるのが強調構文、文章にならなくなるのがIt is~that構文です。強調構文にはIt is not until~that…(~してやっと…)、疑問詞+is(was) it that~?(疑問詞の強調)といった形もあります。
It is good news that he won the scholarship.(彼が奨学金を得たというのはいいニュースだ。It isとthatを除くと正しい文にならないので、強調構文ではなく、形式主語を用いたIt is~that…構文です。) It was not until later in the evening that he found the window broken.←He did find the window broken until later in the evening.(夕方遅くなってやっと、彼は窓が壊れているのを知った。)


(2)肯定文を受けた倒置文

So+V+Sという形で、「~も同様だ」という意味を表します。このVには、前の文で一般動詞が用いてあればdo(does, did)を、be動詞・助動詞の場合はそれらをそのまま用います。
He is an honest fellow. So is his brother.=His brother is an honest fellow, too.(彼は正直者だ。彼の弟もそうだ。)
I am tired. So am I.=I am, too.(私は疲れた。私もだ。)


(3)否定文を受けた倒置文

Neither(Nor)+V+Sという形で、「~も…ない」という意味を表します。このVには、前の文で一般動詞が用いてあればdo(does, did)を、be動詞・助動詞の場合はそれらをそのまま用います。
He will not go, neither will I.=I will not go, either.(彼は行かないだろう。私もまた、行かない。) I did not see it anywhere. Nor did I.=I did not see it anywhere, either.(私はそれをどこにも見なかった。私もだ。)


【反復と対比を使った強調表現】
 現代文の評論などでもそうですが、ある主張をしたい時、何らかの強調がなされるわけで、きわめて多いのが反復と対比という手法です。反復は何度も繰り返すことで、ただ同じ言葉を繰り返すと単調になるので、言葉を変えて同じ内容を繰り返すことになります。対比は対照的なものをぶつけて違いを浮き上がらせることで、どちらかに強調のポイントがあるか、両者を統合した第3の立場が落とし所だったりします。現代文ではこうした強調の手法に着目し、キーワードをチェックし、論理展開・論理構造を把握していくわけですが、これはそのまま英語の読解に使えるのです。