英語力アップ講座

14、仮定法

動詞による表現の仕方の違いを法(mood)と言い、事実をそのまま述べる直説法、命令として述べる命令法、「もし~ならば」と事実でないことを仮定(反実仮想)して述べる仮定法の3つがあります。日本語でも古文に反実仮想の用法がありますね。英語では「もし私が鳥だったら (あなたの所に飛んでいけるのに…)」「もし私があなただったら(…そんなことはしないのに)」などといった定型的なセリフや敬語の中にも仮定法を見ることができます。


(1)仮定法過去

動詞の過去形を使った現在における反実仮想で、if+主語+動詞の過去形(be動詞は主語にかかわらずwere)~, 主語+助動詞の過去形+動詞の原形~という形を取り、「もし~すれば…するのだが」の意味になります。仮定の条件を示す部分を条件節と言い、その帰結を示す部分を帰結節と言います。
I could write a better answer, if I had more time.(もっと時間があれば、よい答案が書けるのに<実際には時間がないので、書くことができない>。)

①if+S+were to~:現在や未来についてありそうもないことや、あり得ないことを仮定する場合です。「仮に~するなら」「もし万一~しても」。
If the sun were to rise in the west, I would never change my mind.(太陽が西から昇るようなことがあっても、私は決して決心を変えない。)

②「V+S」と倒置してifを省略した形。
Were I in your place, I would not do so.(もし私が君の立場にあれば、そうはしないだろう。)

③if以外の接続詞を用いる場合:suppose, provided, in case, unless(=if not)。



(2)仮定法過去完了

動詞の過去完了形を使った過去における反実仮想で、if+主語+動詞の過去完了形~, 主語+助動詞の過去形+動詞の現在完了形~という形を取り、「もし~したら…しただろうに」の意味になります。
I could have written a better answer, if I had had more time.(もっと時間があったなら、よい答案が書けたのだが<実際には時間がなかったので、書くことができなかった>。)

①「V+S」と倒置してifを省略した形。
Had I known your address, I would have written to you.(もし私が君の住所を知っていたら、君に便りをしていただろう。)

②if節が仮定法過去完了、主節が仮定法過去の形をの形を取る場合:「もし(過去)~していたら、(現在)…だろうに」


(3)仮定法の慣用表現

as it were(いわば)
I wish+仮定法過去(~であればいいのになあ)
I wish+仮定法過去完了(~であればよかったのに)
it is time+仮定法過去(もう~するべき時間だ)
as if(though)+仮定法(まるで~であるかのように、仮定法過去=主節と同時の事柄、仮定法過去完了=主節よりも以前の事柄)
if it were not for~(~がなければ)=were it not for~(倒置), but for~, without~
if it had not been for~(~がなかったならば)=had it not for~(倒置), but for~, without~


【仮定法現在も仮定法未来もあります】
If+S+原形(現在形)~という形で現在及び未来についての不確実な仮定を表す仮定法現在や、If+S+should+原形~という形で仮定法現在よりもはるかに不確実な現在や未来についての仮定を表す仮定法未来というものもあります。