英語力アップ講座

7、不定詞・動名詞・分詞

to+動詞の原形を不定詞と言い、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3種類があります。また、toのつかない不定詞を原形不定詞と言い、助動詞の後や知覚動詞・使役動詞の目的格補語として用いられます。不定詞というと何か定まらない品詞のようですが、主語の人称や数に影響されない、限定されないという意味です。動詞の原形+-ing(~すること)を動名詞と言い、文中で名詞の働き(主語、動詞・前置詞の目的語、be動詞の補語)をします。元々動詞なので、動詞としての性質も持っています。また、現在分詞・過去分詞からなる分詞があり、進行形・完了形・受動態を作ったり、補語になったり、形容詞の働きをして直接名詞を修飾する用法があります。これらの不定詞・動名詞・分詞を総称して準動詞と言います。


(1)準動詞の用法

I want to teach in a foreign country.(名詞的用法:私は外国で教えてみたい。)
He has no friend to help him.(形容詞的用法:彼には手助けをしてくれる友達がいない。)
I want something to dorink.(形容詞的用法:私は何か飲む物が欲しい。)
She went to Tokyo to visit her aunt.(副詞的用法・目的:彼女はおばを訪ねるために東京へ行った。)
I was surprised to hear the news.(副詞的用法・原因・理由:私はその知らせを聞いて驚いた。)
I saw a woman cross the bridge.(知覚動詞・原形不定詞:私はある女性がその橋を渡るのを見た<橋を渡る動作の最初から最後まで見た>。)
I saw a woman crossing the bridge.(知覚動詞・現在分詞:私はある女性がその橋を渡っているのを見た<橋を渡る動作の途中を見た>。)
I made my mother write the letter.(使役動詞:make=無理にさせる)
I let my mother write the letter.(使役動詞:let=させてあげる)
I had my mother write the letter.(使役動詞:have=当然してもらう、haveはmakeとletの中間)
I got my mother to write the letter. (使役動詞:get=説得してしてもらう、to不定詞を取ることに注意)
Is that sleeping dog yours?(現在分詞:あの眠っているイヌはあなたのですか。)
I received a letter written in English.(過去分詞:私が英語で書かれた手紙を受け取った。)
Seeing is believing.(動名詞:見ることは信じることである、百聞は一見にしかず。)


(2)不定詞を目的語に取る動詞と動名詞を目的語に取る動詞

目的語を取る他動詞には、不定詞だけを目的語に取るもの、動名詞だけを目的語に取るもの、両方取り得て意味が変わらないもの、両方取り得るが意味が変わるもの等がありますので、要注意です。
①不定詞だけを目的語に取る動詞:基本は「未実行・未来動作=これからの動き」に対して、と考えればよいでしょう。decide, expect, hope, ask, plan, help, care, pretend, mean, offer等。
②動名詞だけを目的語に取る動詞:基本は「既実行・過去動作=すでに行われた動き」に対して、と考えればよいでしょう。よくメガフェプスダ(mind, enjoy, give up, avoid, finish, escape, practice, stop, deny, admit)と覚えます。
③両方目的語になり、意味が変わらない動詞:基本は「現在動作=すでに行われた動きとこれから行われる動きの中間」に対して、と考えればよいでしょう。begin, love, hate, start, intend, attempt, neglect, continue, cease等。
④目的語が不定詞と動名詞で意味が異なる動詞
Please remember to post this letter.(不定詞・未来:どうか忘れずにこの手紙を投函して下さい。)
I remember seeing him somewhere.(動名詞・過去:私は彼とどこかであったことを覚えている。)
He tried to lift the stone, but he couldn’t.(不定詞・未来:彼はその石を持ち上げようとしたが、できなかった。)
He tried lifting the stone to see if it was heavy.(動名詞・過去:彼はその石が重いかどうか見るために持ち上げてみた。)
He stopped smoking.(動名詞:タバコを吸うのを止めた。)
He stopped to smoke.(不定詞の副詞的用法:タバコを吸うために立ち止まった。)


(3)準動詞を使った構文

①疑問詞+to~(~したらよいか) :what to(何をしたらよいか), how to(どのようにしたらよいか), when to(いつしたらよいか), where to(どこでしたらよいか), which to(どれをしたらよいか)
②want, ask, tell+人+to~(人に~してもらいたい、~するように頼む、~するように言う)
③it is~for…to-構文(…が-するのは~だ):it=形式主語、for以下=真主語、to不定詞=意味上の主語です。人間の性質を表すkind, good, nice, careful, careless, clever, foolish, stupid, wise等の場合には意味上の主語を表わすのにofを用います。
It is easy for us to read this book.(私達がこの本を読むことは易しい。)
It is very kind of you to help me.(私を援助下さってありがとう。)
④it~for(あるいはof)…to―構文(…が-するのは~だ):it=形式目的語、for, of以下=不定詞の意味上の主語、to不定詞=真目的語です。
I think it necessary for her to go there.(彼女がそこへ行くことが必要だと私は思う。)
I think it unwise of him to live alone.(彼が1人で住むのは利口ではないと思う。)
⑤too~to…(非常に~なので…できない、…するには~すぎる)
She was too surprised to say anything.(彼女は非常にびっくりしたので、何も言うことができませんでした。)=She was so surprised that he couldn’t say anything.
⑥enough to~(~するだけ十分に)
⑦so~as to…(非常に~なので…、…するほど~)
⑧It is no use(あるいはgood) –ing(~しても無駄である)=There is no use(good) (in) -ing
⑨There is no –ing(~することはできない)=It is impossible to~
It goes without saying~(~は言うまでもない)


(4)準動詞を使った慣用表現・イディオム

to tell the truth(実は、本当のことを言うと)
to do A justice(Aを公平に評すれば)
to make matters worse(なお悪いことに)
strange to say(奇妙なことに)
to be sure(確かに)
do nothing but+原形不定詞(~するだけだ)
get(come)+to不定詞(~するようになる)
on –ing(~する時、~するとすぐに)=as soon as+S+V
feel like~ing(~したい気がする)
worth~ing(~する価値がある)=It is worth while~ing(to不定詞)
look forward to~ing(~することを楽しみに待つ)
be used to~ing(~することに慣れている)
talking of~(~と言えば)
judging from~(~から判断して)
broadly speaking~(大ざっぱに言えば~)
frankly speaking~(率直に言えば~)
generally speaking~(一般的に言えば~)
strictly speaking~(厳密に言うと~)