英語力アップ講座

5、基本文型

文を構成する主要素、骨組みを文の要素と言い、主語S・述語動詞V・目的語O・補語Cの4つがあります。それ以外に修飾語Mがあります。そして、文の要素をどのように組み合わせるかによって、5つの基本文型に分類することができます。
虫の視点を持つと言われる状況埋没型の言語である日本語では主語が欠落することがしばしばですが、神の視点を持つと言われる構造完備型の言語である英語では主語が文の中心として、確固とした位置を占めています。ちなみに英語のみならず、フランス語においても主語-述語構造は欠かせませんが、あるフランス人学者は日本映画のワンシーンを見て衝撃を受けたと言います。それはある日本人看護師が日本人医師に対して、「好きです」と言うものでした。日本人の感覚からすれば何でもない場面で、自らをその場に置くようにして、今までこの人はこのお医者さんに想いを寄せていたんだなとか、意を決して想いを告げたんだなとか、この先どうなるのかな?とか普通に考えますが、そのフランス人学者はフランス語字幕に主語・述語動詞・目的語完備で表現されている(英語ならI love you.ですね)のを見て、その違いにビックリしたのです。元々の日本語のセリフである「好きです」には、主語がないどころか動詞もないのです!何しろ「好き(名詞)+です(助動詞)」だけなのですから。

①第1文型:SV、この文型を取る動詞を完全自動詞と言います。
Some children are skating on the ice.(何人かの子供が氷の上ですべっている。) ②第2文型:SVC、この文型を取る動詞を不完全自動詞と言い、この補語はS=Cであるため、主格補語と言います。be動詞以外の動詞でも、get, become, grow, turn, look, seem, feel, remain等は補語を取ることがあります。
John is a fine skater.(ジョンはスケートの名手だ。)

③第3文型:SVO、この文型を取る動詞を完全他動詞と言います。 He took his sister to the lake with him.(彼は妹を湖へ一緒に連れて行った。)

④第4文型:SVOO、この文型を取る動詞を授与動詞と言い、最初に来る目的語を間接目的語、次に来る目的語を直接目的語と言います。第3文型への書き換えの際、たいていの動詞は前置詞toを取りますが、forを取るものとしてbuy, choose, cook, find, get, leave, make, order, sing等があり、ofを取る動詞としてaskがあります。 John gave her some advice.(ジョンは彼女に助言をした。)→John gave some advice to her.(第3文型)

⑤第5文型:SVOC、この文型を取る動詞を不完全他動詞と言い、この補語はO=Cであるため、目的格補語と言います。第4文型との見極めのポイントはこのO=Cにあります。知覚動詞と使役動詞やcall(~を…と呼ぶ), name(~を…と名づける)等が5文型を作ります。
She found skating very easy.(彼女はスケートをやってみると、とても易しいことが分かった。)

【英語ネイティブが知らない文型理論?】 日本では最重要概念の如く位置付けられている5文型理論ですが、日本以外の国ではあまり一般的ではなく、英語ネイティブも文型を特に意識せずに、動詞によって文を組み立てています。アメリカ人のインテリでも文型理論を知らない人は多く、「これは何文型なの?」「文型って何?」「これって補語じゃないの?」「補語って何?」といった会話の断絶もよく聞かれます。 また、アメリカにおける文法教育と日本における文法教育において、最も違いが出るのが第4文型の捉え方であり、アメリカにおいては間接目的語という概念は無く、目的語は全て直接目的語を意味しています。実はアメリカでは第4文型に相当する文型は認められておらず、間接目的語は副詞と同じ扱いを受けているのです。