オグデンとリチャーズという言語学者が研究の結果、「イギリスでの日常会話の95パーセントまでは、わずか750語の単語で行われている」と発表し、これをBasic English(基本英語)と名づけました。その中で、「動詞としては16で十分である」とし、それらをvital verbs(必須動詞)と名づけていますが、be, have, go, come, get, make, give, keep, let, put, say, see, seem, send, take, doがそれです。ここでは基本動詞をもう少し拡大して、そのイメージを確認しておきましょう。
①見る
see=見ようとしなくても自然に「見える」、意識的にある物を「見る」。
内容的な物を見る時には「理解する、調べる」の意味になり、相手の言うことが理解できた時はI see.(分かりました。なるほど)となります。
look=基本的には静止している物を意識して「見る」。
watch=動いている物や動く可能性がある物を「じっと見る、観察する」。
find=偶然であれ、意図的であれ、「見つける」。
discover=今まで存在していたが、誰にもその存在を知られていなかったものを「発見する」。
②聞く
hear=seeと同様、意識していなくても「聞こえる」能力を表します。
listen=lookと同様、意識を集中させて「聞く、耳を傾ける」。
③話す
say=実際に発せられた言葉を言う(直接話法~ある人が言った言葉をそのままの形で伝える表現法)。
“I want to eat an apple,” he said to me.(「リンゴが食べたいな」と彼は私に言った。)
tell=伝える内容を言う(間接話法~ある人の言った言葉を自分の言葉に変えて伝える表現法)。
He told me that he wanted to eat an apple.(彼はリンゴが食べたいと私に言った。)
He told the news to everyone in the office.(彼は事務所にいた人全てにそのニュースを伝えた。)
talk=話す内容にはあまり関心がなく、話す行為そのものに焦点が当てられ、基本的に話す相手が必要です。
speak=基本的にきちんとした内容について述べることで、必ずしも相手がいなくてもかまわないません。
mention=簡単に述べる、ちょっと言う。
Don’t mention it.(どういたしまして。You’re welcome.の方が口語的。)
④書く
write=道具を使って「書く」、手紙を「書く」。
⑤考える
think=「思う、考える」という意味の最も一般的な語。
believe=thinkに比べて語調が強く、確たる証拠はないが、信念に基づいてそうであると「強く思う、信じる」。
guess=確たる証拠や確信が全く無い状態で、「ただ何となく思う、推測する」。
suppose=ある程度の証拠や確信に基づいてそうであると「思う」。
imagine=想像力を働かせて何かを造り出すことに焦点が当てられます。
⑥食べる
eat=食べ物を口に入れて噛んで飲み込む行為に焦点が当てられます。したがって、「昼食を取る」はeat lunchではなく、have lunchとなります。
have=「食事を取る」。
drink=グラスやコップなど液体の入った容器から、直接口の中に入れて飲み込む行為に焦点が当てられます。したがって、「スープを飲む」でも、カップから直接口に入れる場合はdrink soup、スプーンを使って飲む場合にはhave soup、食べる行為を強調したければeat soupとなります。
⑦寝る
sleep=眠りにつく行為ではなく、眠っている状態を指します。したがって、「何時間寝ましたか」はHow many hours did you sleep?ですが、「何時に寝ましたか」はWhat time did you sleep?ではなく、What time did you go to bed?となります。ちなみに眠りにつく瞬間の行為はfall asleepとなります。
⑧着る
wear=「着用している」という状態を表します。「身に着ける、着る、履く、かぶる」などの動作にはput onを用います。
⑩行く
go=人や物が話し手のいる場所から「去って行く」。
take=「持って行く」。
⑪来る
come=人や物が話し手のいる方へ「やって来る」。したがって、「夕食の用意ができたわよ!」と言われて、「今行きます」という時には、I’m going.ではなく、I’m coming.となります。
bring=話し手がいる場所へ「持って来る」。
⑫持つ
have=「持つ」という意味では最も一般的な語で、所有権の有無にかかわらず、手にしているものや、実際に手にしていなくても自分の自由になるものであれば使えます。
possess=改まった語で、「所有する、所持する」。
keep=他人が持ったり、使ったりすることができないようにすることで、安全性や愛着を暗示する。ペットとして動物を飼うのはkeepではなく、haveを使います。
hold=「持つ」という意味の時は、財産や土地を対象とする場合が多いようです。実際に手で押さえているというイメージが強く、他人に奪われないようにしっかり持っているというニュアンスがあります。
keep the door open(ドアを開けておく)
hold the door open(ドアを手で押さえて開けておく)
⑬作る
make=根本の意味は「物を存在せしめる」で、必ず何かを生み出すとか、何かを成し遂げるという意味になります。
build=constructと共に、「ある計画に従って、ある材料から何かを作る」。
found=「創設する、設立する」。元々は「土台を置く」という意味です。
⑭与える
give=「好意で与える」「許す(許可や権利を与える)」「譲る」の3つが基本的意味です。
⑮受ける
receive=与えられた物、送られた物、手渡された物等をもらい受ける。物理的な行為を表わしており、「受け入れる」意味は含みません。反意語はgive(与える)とsend(送る)です。
accept=「(贈り物等を快く)受け取る」「(招待、申し出、提案等を積極的に同意して)受け入れる」。
⑯置く
put=「何かをある所、あるいはある位置に移動させる」。
place=setと共に、「ある決まった場所、ある決まった状態に置く」。
leave=「残す」(何かを置いたままで去る)。
⑰する
do=getと同様、意味を決定するのに、文脈によらなければならないケースが多々あります。do the dishes(食器を洗う)
⑱させる
make=「誰かがしたくないと思っていることを強制的にやらせる」という意味では最も一般的な語です。主語が物の場合は強制ではなく、それが原因である状態になることを表わします。
This dress makes you much younger than you really are.(このドレスを着ていると、実際よりずっと若く見えます。)
let=「~させてあげる」という許可を表します。
have=料金を払って仕事やサービスをしてもらったり、するのが当然と思える状況で使われます。
get=説得して「~させる」というのが基本です。make, let, haveは使役動詞としては、目的語の後に原形不定詞を取りますが、このgetだけは目的語の後にto不定詞を取ることに注意しましょう。
⑲である
be=「存在」を表わす代表的動詞です。ちなみにdoは人間の「行為」を表わす代表的動詞です。
To be or not to be: that is the question.(生きるべきか、死すべきか、それが問題だ。)
seem=「~と見える」。話し手の主観的判断を表します。
appear=「外観がそのように見える」ということを意味しますが、「実際はそうではないかもしれない」という含みを持つことがあります。
look=appearと同じく、外面的なことを表しますが、「実際もそうである」ということが多いです。
sound=「~のように聞こえる」。
That sounds great!(スゲエじゃん!)
⑳になる
become=「~になる」という意味では最も一般的な語です。
get=「~になる」という意味ではbecomeと異なり、ある一時的な状態に至るまでの過程を重視する語で、例えば温かい物が冷めたり、空が暗くなるように、徐々にある状態になることを表します。
This coffee is getting cold.(このコーヒーは冷たくなってきた。)
grow=「(徐々に)なる」。getよりももっと時間がかかることが暗示され、改まった場面で使われます。
go=直後に形容詞を伴って、「(悪い状態に)なる」。
come=「(元の状態に)なる、(良い状態に)向かう」。
turn=「(全く違った状態に)なる」。魔法使いが少女をカエルに変えるなど、その時までとは全く違った状態の変化を表すことが基本です。
fall=「(突然)なる」。元気だった人が突然病気になったりするように、突然、ある状態に変化することを暗示させます。
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