「方程式」はいくつかの数量が等しいことを式で表したものですが、これを発展させて、例えば、ある数量が別の数量より少ないといった状態を表したものが「不等式」です。この「不等式」を利用すると、いくつかの数量の大小関係を式で表したり、条件を満たす値の範囲を求めることができます。
また、比a:bについて、
を「比の値」と言い、a:b=c:dのように比で表された等式を「比例式」と言います。この時、外側同士をかけ合わせた数と内側同士をかけ合わせた数が等しくなる(ad=bc、外がけ=内がけ)ことは知っておくと良いでしょう。
不等式:150x ≦ 1000のように、2つの数量の間の関係を不等号を用いて表した式です。不等号の左側を左辺、右側を右辺、合わせて両辺と言います。
(1)x≧a~「xはa以上」と読み、x=aを含みます。
(2)x≦a~「xはa以下」と読み、x=aを含みます。
(3)x>a~「xはaより大きい」と読み、x=aを含みません。
(4)x<a~「xはaより小さい」と読み、x=aを含みません。
不等式の性質:一般に不等式に関して、次の性質が成り立ちます。
(1)a<b ⇒ a+c<b+c、 a-c<b-c
(2)a<b、c>0 ⇒ ac<bc 、
<
(3) a<b、c<0 ⇒ac>bc 、
>
両辺に同じ負の数を掛けたり、両辺を同じ負の数で割ったりする時、不等号の向きが変わります。
解:不等式を満たす値の範囲をその不等式の解と言い、解を求めることをその不等式を解くと言います。不等式においても、等式の場合と同様に移項することができます。
1次不等式:移項して整理することにより、(1次式)>0、(1次式)<0、(1次式)≧0、(1次式)≦0のいずれかの形に変形できる不等式のことです。
連立不等式:2つ以上の不等式を組み合わせたものです。それらの不等式を全て満たす値の範囲をその連立不等式の解と言います。連立不等式を解くには、それぞれの不等式の解の共通の範囲を求めればよいのです。
【例題】次の連立不等式を解きなさい。
【解答】
3x+1>4 ………①
7x-6≦4x+9 ………②
とおく。
①より、3x>3 両辺を3で割って、x>1 ………③
②より、7x-4x≦9+6 3x≦ 15
両辺を3で割って、x≦5 ………④
よって、③、④の共通の範囲は1<x≦ 5
*数直線で解を表す場合、●はその数が解に含まれることを示していて、○はその数が解に含まれていないことを示しています。
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