「直角三角形の斜辺の2乗は他の2辺の2乗の和に等しい」という有名な「ピタゴラスの定理」(三平方の定理)を使えばすぐに分かるように、三角定規で定番の45°・45°・90°の直角二等辺三角形の場合、三辺の比は1:1:
となり、無理数である平方根が出てきます。もう1つの三角定規の定番である30°・60°・90°の直角三角形の場合でも、三辺の比は1:2:
となって、やはり無理数である平方根が出てきます。したがって、測量や建築の現場では古くからなじみの深いものであり、平方根を含む式の計算はかなり日常的なものであると言えるでしょう。もっともピタゴラスは「数は宇宙を支配する」と言い、「万物の根元は数である」と考えていましたが、彼の率いた宗教的秘密結社ピタゴラス教団においては、「宇宙にある全てのものは必ず整数か分数で表わすことができる」と信じていたため、「無理数」はタブーであって、その存在をもらした者には死が待っていたと言います。
平方根:実数aに対して、2乗するとaになる数を、aの平方根と言います。一般に任意の実数aに対して、
=|a|(aの絶対値)が成り立ちます。
(1)a>0の時、aの平方根は正と負の2つあり、正の方を
、負の方を-
で表わします。
(2)a=0の時、aの平方根は0のみです。すなわち、
=0となります。
(3)a<0の時、aの平方根は実数の範囲には存在しません。どんな実数も2乗すると、0以上になるからです。これは虚数になります。
根号を含む式の計算:a>b>0の時、
>
となり、次の公式が用いられます。
(1)
=
特にm>0の時、
=m
(2)
=
分母の有理化:分母に根号を含む式は無理数を分母・分子に掛けることによって、分母を有理数に直すことができます。
=
=
=
=
=
=
=
=
=
【知っておくと便利な2乗数・3乗数】
平方根を扱う上で、主な2乗数・3乗数を知っておくと、ルートを外しやすくなるので、計算が速くなります。
112=121 122=144 132=169 142=196 152=225 162=256
23=8 33=27 43=64 53=125 63=216
【平方根の計算】
平方根の計算で気をつけることは次の2点です。
①2乗数はなるべくルートの外に出して、単純な数の平方根に変える。
よく見られる平方根には次のようなものがあります。これらをさっさと変換できるように「数慣れ」していきましょう。
=
=2
=
=2
=
=3
=
=2
=
=4
=
=4
=
=5
=
=5
=
=5
②同じ種類の平方根を同じ種類の文字式のように考えてまとめましょう。
【例題1】
5
+
+2
-
=5
+3
+2
-4
=(5-4)
+(3+2)
=
+5
【例題2】
(
-1)(
+5)=(
)2+(-1+5)
+(-1)×5=7+4
-5=2+4
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